京都の人気コーヒーショップ「here Kyoto」が、台湾の京都とも呼ばれる台南市に海外初の支店をオープンする。場所は台南の歴史的な街並みが残る「府城」エリアで、台湾の最も歴史的な意義を持つ仏教寺院「六合境清水寺」の近くに位置する。人通りの多い通りから入った大きな木の根と、煉瓦と瓦で構成された古い建物が、まるで京都にいるかのような雰囲気を醸し出している。

京都のカフェは数多くあるが、「here Kyoto」を訪れると開店と同時に多くの客が訪れる。世界的なラテアート選手の山口淳一が創業したカフェだ。山口は以前%ARABICAの首席バリスタを務め、2014年に世界ラテアート選手権で優勝。2019年に「here Kyoto」を設立し、現在京都に2店舗を展開している。海外初となる台南店は2025年6月1日にオープンする予定だ。
バリスタとしての山口は常に「誰もが美味しいと感じるコーヒー」を追求し、豆の選択から配合比率、焙煎度合いまで、一つ一つこだわりを持って取り組んでいる。山口は一杯のコーヒーを通じて、コーヒー愛好家だけでなく、コーヒーに抵抗がある人も自然に受け入れられる、穏やかな味わいを目指している。
台南店は2階建ての古民家を改装。1階に入ると、大きなガラス窓が目を引く。自然光と空間が調和し、赤レンガの壁と棚の上の小さな茶室が、まるで小さな京都のような雰囲気を作り出している。2階へ上がると、床前が突然開け、座席には大きなガラス窓が使われ、自然光が差し込む設計となっている。
「here Kyoto」の看板メニューは「カヌレ」。超人気のカヌレは、山口が「コーヒーとの完璧な組み合わせ」と考える逸品だ。彼はパリで偶然カヌレに出会い、その濃厚で魅力的な風味に深く引き込まれた。「これこそコーヒーの理想的なペアリング」と確信し、2019年にコーヒーとの相性を追求したhere Kyoto独自のカヌレ「ココカヌレ(Coco Canelé)」を開発した。
「here Kyoto」のコーヒーの楽しみ方は、提供されるカヌレをそのまま食べるのではなく、アメリカンやラテなどのコーヒーにカヌレを浸して食べるのが最も完璧な組み合わせだという。「here Kyoto」のカヌレが愛される理由は、外はカリカリ、中は香り高く濃厚なカヌレ生地。これをコーヒーの泡と一緒に味わうという絶妙な体験にある。ミルクとコーヒーにカヌレを浸す食べ方は、一度試す価値があるだろう。