無印良品が中国美団と提携しオンデマンド配送サービスを開始

Image : Dao Insights

日本の人気ファッション・生活雑貨ブランド「無印良品」が、中国最大のフードデリバリーアプリ「美団(メイトゥアン)」で公式にデリバリーサービスを開始した。このサービスにより、顧客は数時間、場合によっては20分以内(美団のレビュアーが喜んで報告している通り)に商品を自宅まで届けてもらうことが可能になった。

6月1日のサービス開始以来、この取り組みは急速に普及し、すでに30万人以上のオンラインユーザーが無印良品の新しい即時配送サービスを利用している。6月13日時点で、中国全土の無印良品店舗の約80%にあたる200店舗以上がメイトゥアンでの配送サービスを開始した。このリリースは、間もなく開催される「618(6月18日)」ショッピングフェスティバルに合わせたタイミングとなっている。

無印良品のデリバリーサービスが成功している重要な理由の一つは、顧客が求める「オンラインでもオフラインでも同じ価格と品質」を維持していることだ。さらに、その利便性の高さも魅力となっている。特に若い世代(Z世代)が可能な限り迅速な配送を望む一方で、高額な配送料には躊躇することを熟知している無印良品は、オンライン顧客を引き付けるためのインセンティブを創出した。これには配送料の割引、最大70元(約1,500円)の値引き、さらには商品のセット販売などが含まれている。

無印良品の親会社が発表した2022年上半期の財務報告によると、中国本土での売上は2月頃から減少し始めていた。実際、アパレル販売不振により既存店売上高は前年同期比6.6%減少していた。さらに、パンデミックの影響でオフラインとオンライン両方の販売実績が急激に落ち込み、無印良品は大きな打撃を受けていた。メイトゥアンで商品を購入可能にすることで、無印良品は実店舗が徐々に活気を取り戻す間も、中国での事業を維持することが可能になる。

ミニマリズムの象徴的ブランドである無印良品だけがデリバリーアプリに進出しているわけではない。イニスフリー、パーフェクトダイアリー、ザ・カラリストなどの他の美容小売業者も、すでにJD.com、到家(ダオジア)、餓了麼(アーラーマ)などのオンデマンド配送プラットフォームに事業の一部をシフトしている。拡大し続ける「怠け経済(レイジーエコノミー)」において、顧客のために一歩踏み出せる企業が最良の結果を得る可能性が高い。

総合的に見て、無印良品の今回の動きは、デリバリーアプリで商品を提供するブランドを待ち受ける可能性を浮き彫りにしている。迅速かつスピーディな配送サービスという消費者ニーズに応えることで、無印良品はマイクロコマースの時代の幕開けとなる可能性を歓迎している。

  • URLをコピーしました!
目次