3月21日、スペインのファストファッション大手ZARAは、中国東部の江蘇省南京市新街口エリアにフラッグシップ店をオープンした。2,500平方メートルの店舗は、ZARAのオフライン戦略の転換を示すもので、いくつかの「初」となる要素を提供している。革新的な都市空間と歴史的な都市・南京を融合させたこの立地は、ZARAがプレミアムなポジショニングに向けてさらに一歩踏み出したことを示している。

南京旗艦店は2階建てで、外観は均一なグレーのセメント調の素材で覆われている。内装も工業的な石造りと濃い木目調のテクスチャーで統一されている。この店舗には、アジア初のZARA自動コンベヤーシステムや、世界初の「ZARAサロン」が導入され、完全なラグジュアリー体験を提供するために予約制のパーソナライズドスタイリングサービスを提供している。また、初の「自撮りポッド」フォトブースやアパレル自動販売機も設置されている。
この店舗はアジア初となる「Zacaffè(ザカフェ)」も併設している。外装に使用されたレンガは、近隣の古い建物から回収されたもので、地域の親しみやすい雰囲気を醸し出している。モダニズムのデザインに加え、南京にインスパイアされた2種類のコーヒーを含め、この歴史的な都市への心のこもったオマージュが施されている。
ZARAは昨年から中国での多くの店舗を閉鎖しており、現在の店舗数はピーク時の183店から73店にまで減少している。専門家らは、ZARAがプレミアムなポジショニングにシフトするにつれ、オンラインチャネルを通じて急速に拡大するだけでなく、より良いオフライン体験を提供する大型店舗のオープンを開始したと指摘している。これはH&Mやユニクロなどのファストファッションブランドも模索している動きだ。Urban Revivoのような国産競合ブランドが手頃な価格帯で追い上げる中、より高いブランドポジショニングと価格帯を目指すことが、次の明確な一手となるかもしれない。